夏休み中、私は息子が行ける高校はないか調べていて、
私立の高校に“不登校枠”、というものがあることを知った。
調べた限り家から通える範囲で3校ほど。
息子は幼い頃から、勉強も運動もなんでも器用にこなしてきたタイプなので
若干プライドが高い。
なので偏差値というものへのこだわりみたいなものもある。
そしてそれら3校は息子があまり見向きもしない偏差値で、中より下の学校。
以前の私だったら息子と同じように思っていた。
だけど、不登校の息子を持つ親として、そうも言ってられない。
普通の高校へ・・・
心のどこかにそんな想いがずっと付き纏っていた。
普通の高校、それはどんな学校?
と言われればとても難しいけれど、
小学校・中学校と同じように毎日朝から学校へ行き、
クラスがあって、友達がいて、勉強や部活、学校行事などに励む。
それが私が思う普通の、という意味じゃないだろうか。
私立の通信制の高校は最後の手段
どこにも行き先がなかったらそれから考えればいい、そう思った。
また息子が通信制の学校の見学をブッチしたことで
息子が何を考えているか分からなくなっていたのも、
別の選択肢を考えるようになった理由の1つだ。
正直、今現在、不登校の息子が“全日制”という仕組みの高校に通えるのか?
全日制高校とは、平日朝から夕方にかけての昼間に授業が行われる高校のこと。多くが学年制で単位を取得するために毎日の時間割が決められており、1年ごとに進級して3年で卒業を目指すこと。
いわゆる現在ほとんどの中学3年生は、この仕組みの高校に入学していく。
という不安はあるものの選択肢が増えるならぜひ検討していきたい、
というのが私の本音だった。
幸いにも息子の仲のいい友達が何人かがそれらの高校に夏休み見学に行く、
ということを聞いたので、
それなら息子も友達が一緒なら行く、と思ってくれるかもしれないと思った。
不登校枠のある高校のパンフレットを渡し、説明をし、
友達が見学に行くことも伝え、数日考える時間を与えた。
しかし、答えは「NO」
別に誰も入れとは言っていない、ただ見学に行くだけである。
でも息子は頑なに意見を変えようとはしなかった。
正直、ここまでせっかくの夏休みを息子が動いてくれないとは、思ってもみなかった。
夏休みが終わったら進路決定まで本当に時間がない。
様子が変わらない、気持ちが前向きにならない息子を感じ、辛い気持ちになった。
本人の意思が大事なことなので仕方ないと諦めるしかなく、不安は募った。
息子にどうしたいか聞いても、あまりはっきり言わないままだった。
お盆の帰省
高校の進路に関してあやふやな態度をとり続ける息子に、
もどかしい想いを抱えながらの夏休みだったが、
ダメもとで誘ってみたお盆の私の実家への帰省は、なんと!付き合ってくれたのである。
11時ぐらいには出発したいよ、という要望にもきちんと応えた。
“なんだ、やればできるじゃん”
4月中旬から学校へ行けなくなって4ヶ月。
ほとんど引きこもり、実家に遊びに行くなんて全くできなかったのに・・・。
久しぶりに家族全員で私の実家に訪れることができた。
私の両親も久しぶりに見る孫の姿に嬉しそうだった。
そしてその行動に味をしめた私は、娘が映画に行きたいと言ったのを口実に
今度は息子を映画を誘ってみた。息子は映画が好きだ。
するとなんと、「行きたい」と言う、笑
自分が好き❤️なことは行動するんだなぁ・・・
ってことは高校には興味ないのかな・・・💧
この4ヶ月、部活と病院と美容院以外は、外に連れ出せることはなかったし、
家族で出かけるなんてもってのほかだったし
そんな余裕もないまま、ここまで来てしまった。
だから息子が映画に行く、と言ってくれてとっても嬉しかった。
久しぶりの家族みんなでのお出かけ。
例え映画館といえど、家族で共通のことができる喜びは大きい。
見終わった後に、映画の話しをして食事して久しぶりに普通のことができた。
今までそんなこと当たり前だった日常。
不登校・引きこもりで、それが当然ではなくなり、苦しかった日々・・・
お盆への実家と映画館、高校見学は行けなかったけど、
その2つができたことを私はとても神様に感謝した、笑
神様
家族で出かける、ということに息子を少し前向きな気持ちにしてくれてありがとう。
息子の気持ちの変化にありがとう。
私はもっと、息子の些細なことにも感謝しなければいけないなぁと思った。
大事なことは息子の気持ち
忘れがちなそのこと。ほんの些細なことにもっと目を向けて息子に愛を伝えねば・・・
どんな時もあなたを愛しているよ、と。
さんまさん、娘さんの名前の由来、生きているだけで丸儲け、とはよく言ったもんだ。
ほんと、そうゆうことなんだろうな。
私の心も息子と共に、少しずつ変化している・・・