中3になったばかりの4月中旬、息子は突然学校へ行けなくなった・・・
何よりも笑った顔が素敵な彼が笑わなくなり、頭の回転が早く成績も良かった彼が勉強を捨て
スポーツが大好きで小学生時代はサッカー、中学はバスケに打ち込んできた彼が運動を一切しなくなった。
それは、すぐに受け入れるには耐え難く、あまりにも私にとって残酷な日々の始まりだった。
息子は生まれた時から少食だった。そう、ホントに、赤ちゃんの時から(笑)
私も主人も食べることが大好きなので、
腹八分目しか食べない息子のことをいつも誰に似たのかと不思議に思っていたほど。
息子が学校へ行けなくなるきっかけの一つとして、体調不良があった。
中2になる頃から始まった症状として、頭痛・腹痛・下痢・めまい・吐き気など。
中2の終わり頃から季節的(冬)なこともあるとは思うのだけど
胃腸風邪に立て続けになって、そこからは下痢と便秘を繰り返していた。
日々の生活で整腸剤が欠かせなくなったことは心配ではあったけど
基本的には元気に過ごしていたし、部活も一生懸命やっていた。
学校へ行く前や、夜寝る前に整腸剤を飲んで
精神安定剤的な感じで本人も飲んでいるようだった。
月1回ぐらいで胃腸を壊すので、さすがにかかりつけ医も心配し、血液検査をすることに。
結果は鉄の数値がだいぶ低い、とのこと。
後日紹介された医大でも同じように鉄の数値が低いという結果になり
【 鉄欠乏性貧血 】 と診断され
医師からは、しばらく鉄剤を飲んで貧血を改善していきましょう、と言われた。
食事もなるべく鉄分の取れるものを心がけてください、とも。
もともと食が細い上に、好き嫌いも多い息子だから貧血になったのかもしれない・・・
この時、ついでに胃腸の様子もレントゲンやエコーや便の検査など念入りに行い
腸に大きな異常は見られなかったので、ひとまず胸を撫で下ろす。
鉄欠乏性貧血
本人はもちろん自覚はないけれど、貧血がもたらす日常生活の支障について
私はその時初めて認識した。
貧血が引き起こす症状として私が認識していたのはめまいや立ちくらみぐらいで
その他の症状については全然知らなかった。
・頭痛
・倦怠感
・疲れやすい・だるい
・集中力低下
・イライラしやすい
・息切れ
からだの急激な成長に伴い、鉄分が不足しがちになる思春期。
貧血は自覚しにくい症状ばかりで、日常的にありそうな症状ばかりだから貧血が原因かも?と気付きにくい・・・
特に女の子と違って、生理があるわけではないから、男の子は尚更。
毎日のことだと思うと、上記の症状はどれも地味にきつい症状だな、と思った。
上記の症状が続けば日常生活に支障をきたすだろうし、
結果、朝起きられない、ということに繋がってしまうのも納得できる。
息子はずっとスポーツをしていたので、汗からも微量の鉄分は抜けてしまうらしい。
息切れ、以外は思い当たることばかりだった。
ある時期から部活から帰ってくると、寝転がってなかなか起き上がらない息子をみていたのに
それに気づけなかった。(スマホをずっと見ていたからだと思う)
親の私はいつまでもダラダラして!と思っていた。
けれど今思えば違ったのかもしれない・・・
起き上がれないぐらい・食べる気もおきないぐらい疲れていたのかも・・・
もっと早く対処していたら。
貧血を早く改善していたら不登校にならなかったかもしれない。
あれ?なんだか疲れているな
全力のパフォーマンスを出せないな
だるいな、集中できないな
もうなんだかどうでもいいや、頑張るの疲れた、、、
そうやって、徐々にストレスが溜まり息子のメンタルをむしばんでいったんじゃないか。
カラダが元気じゃないと、心も元気じゃなくなっていくよね。
病院の先生が、息子はずっとスポーツをしてきて、変に体力があったから
ここまで頑張れたんじゃないか、と言っていた。
でもきっと随分前からしんどかったんじゃないか、と。
不登校になると、私たち親はそうなった原因があったはずだ!と思いたい。
だからそうなった原因を知りたいし、取り除きたいと思う。
そうしたら、また学校へ行ってくれるかもしれない、という期待が持てるから。
でも
不登校ってそんなに単純なものではない
一度不登校になってしまうと、再登校は容易なものではない
学校へ行かなくなって1ヶ月半ぐらいの私にはまだそれがよく分かっていなかった。
原因を取り除いて、一刻も早く不登校を終わらせたかった。
貧血を解消したら元気になって、学校へ行ける可能性がある、と思っていた。
過敏性腸症候群と起立性調節障害
不登校になる子に多い症状として、過敏性腸症候群と起立性調節障害がよく言われる。
息子も当てはまる症状があるので例外ではない。
ちゃんと診断された訳ではないが、医大の先生もこの2つにおいて少なからずあるだろうと思う、と仰っていたから。
◇ 過敏性腸症候群
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下痢や便秘が続いたり、繰り返したり、腹痛など腹部の不快な症状が慢性的に続くが、消化器に疾患はなく、検査をしても胃腸に原因となる病気・異常が見つからない。というちょっと厄介なもの。
結局これには整腸剤ぐらいしかなく、このクスリを飲めばちゃんと治ります、というものはない。あくまでも対処療法しかなく規則正しい生活と十分な睡眠、適度な運動などに気を付ける、みたいなことを言われた。
一般的によく「ストレスが原因」と言われていることが多く、原因がストレスと言われてしまうと、もう息子が自分でなんとかするしかない、気持ちの問題だね、ということになる。上手く付き合ってね、と。
じゃあ、ホントに生活習慣やストレスだけが原因なのか?というと私はそこに疑問が残る・・・
◇ 起立性調節障害
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自律神経系である交感神経と副交感神経の働きのバランスが崩れることで、立ち上がったときに血圧が急激に低下し、めまいやふらつき、頭痛、朝起き上がれなくなるという症状を引き起こすもの。
主な原因としては自律神経の乱れによるもので、思春期によるホルモンバランス・精神的なストレスなどによって自律神経のバランスが悪化して脳への血流が低下するためだそう。
朝起きあがれない、ということは不登校になりやすい状態につながっているのかも、と思う。
息子が不登校になる要因としてこの起立性調節障害があったのではないかな、と思うところはある。朝は辛そうにしていても午後には元気になる、、、ということが多かったから。
不登校になってしまう原因として体調不良というのもあるんだなぁ…と
息子がこうなって初めて色々調べてみて気づいた。
もちろん不登校の原因として息子の場合、それが全てではないと思ってはいるが。
ただ、せめてそうゆうことをもっと早く知っていて対処できていたら、、、と思ってしまう。
息子の性格上、授業中にお腹が痛くなって「先生、トイレ行きたいです。」とは言えない。
常にお腹が痛くなったらどうしよう、、、と思う気持ちは分からなくもない。
気合いだ!根性だ!
そう言ってしまうの簡単だし、どちらかと言えばスポーツをやってきていたので
ずっとずっとそう言ってきた。
でも今の息子にはそれができないのである。
過剰な程の思い込みによって、自分で自分を動けなくしている。
外に出ることを拒む。
考えれば考えるほど、不登校って本当に悪循環でしかない。
負の連鎖
でもそれも本人次第なんだ。
人生100年時代、これからまだいくらでも変えていける。
そう思いたい。