中3になったばかりの4月中旬、息子は突然学校へ行けなくなった・・・
何よりも笑った顔が素敵な彼が笑わなくなり、頭の回転が早く成績も良かった彼が勉強を捨て
スポーツが大好きで小学生時代はサッカー、中学はバスケに打ち込んできた彼が運動を一切しなくなった。
それは、すぐに受け入れるには耐え難く、あまりにも私にとって残酷な日々の始まりだった。
毎日学校へ行く、部活に行く、習い事に行く、塾に行く、友達と遊びにいく
朝起きる、夜更かししない、リビングで食事をする、3食きちんと食べる、服に着替える
家族との外食、お出かけ、約束ごと、本人が必要なものの買い物
不登校になった息子は今まで当たり前にできていたことが全てできなくなった。
人が生活する上で中学3年生ならほぼ意識しなくても当たり前に毎日やっていることである。
だから、それがどんどん出来なくなっていくので、親としては本当にとても迷惑である。
正確に言えば、できるけれど、やろうとしない
そうゆうものが一切どうでもよくなる・・・
不登校とはそうゆうものらしい…少なくとも息子には。
出かけることや楽しいことが大好きな私にとって、
それら全てができなくなった息子をどう受けれ入れたらいいか
本当に辛かった。
家族みんなで一緒に楽しいことをして過ごしたい
今までたくさん旅行に行ったり遊びに出かけたり、、、そうしてきた。
なのに!!!!
サッカーやバスケに励み、学校へも行き、元気に活発に過ごしていた息子が突然
引きこもり状態でほとんど部屋から出てこず、だらしのない生活を送る
それはとても耐え難く、私は息苦しくてたまらない生活を強いられた。
子供が不登校で引きこもるって、家族の生活そのものを一旦リセットさせられる。
息子には申し訳ないけれど、
息子のためになんで私がこんなに犠牲にならなきゃいけないのだろう、そう思うことも多々あった。
学校に行けなくなって傷ついているのは息子なんだ・・・
それを大前提として分かっていたとしても、
終わりの見えないトンネルからいつ抜け出せるか分からない、そのことに
私たち家族だって気持ちを維持するのが大変だったのだ。
何もできなくなった息子を赤ちゃんのようだな、と思う時がある。
そして、自分がしたいようにしかしなくなった。
私がもっとも嫌うことをするようになった息子。
スマホが手から離れない、歩く時もトイレもお風呂も食事中も
四六時中スマホとゲーム
何度注意したことだろう・・・
部屋で食事をする、できた食事さえ自分で取りに来ない(ちなみに下げてはくれる)・・・
私はまた一から育児をしているのかもしれない・・・そう思う。
だからって本当の赤ちゃんではないではないので
その距離感やコミュニケーションは難しいし悩みどころだった。
結局、ある程度の時間は必要なのかもしれない。
不登校の子自身にとっても、その子を持つ親の関わり方も。
最初から何をどうしたらいいか、なんて完璧な答えなんてあるはずないんだ。
不登校は試行錯誤の連続・・・
やってきたバスケの県大会と引退
行ってくれるだろう、と思っていた夏休みの練習に行かないままの息子に
胸が締め付けられる思いをしながら過ごしていた私
不登校の息子の心と体は、私たちが思う以上に複雑で簡単なものではないようで。
元来お気楽な私の思考とは全く違うので、
息子の出来ない、という行動にいちいち腹が立ってしまうのである。
本当に親子でもこうも違うものか、と思う・・・
そして、急だけど県大会は前泊に
夏休みの部活に顔を出さない息子は何を考えているのか分からなかったけれど
私は恐る恐る(そのことが伝わらないように至って明るく)息子にそのことを伝えた。
「修学旅行行けなかったから、部活仲間だけだし、行ったら楽しそうだね!」とも言った。
すると息子はまんざらではなさそうな返答だった。
そして県大会前日、息子はみんなと宿泊施設へと向かってくれた。
私は心底ほっとした。息子の気持ちの上下が色々な日常に弊害をもたらす。
こんな普通の人なら簡単なことでさえ、出来たり、出来なかったり・・・
学校や部活、進路の行事があるたびに、息子に振り回される。
私は振り回される気持ちをどうにか維持することがとても大変で
精神的にもずっと限界だった。
限界なまま何ヶ月も過ごした。
逃げたい、、、ずっとそう思っていた。
きっと多くの親御さんもそうなんだろう。
そこまで腹を割って話すことさえないのだから。
みんなに遅れて・・・号泣💧
県大会は2日目の2試合目で負けてしまったけれど、
県大会ベスト8という素晴らしい成績で終えることができた。
負けたあと、子供達はみんな号泣していた。
そんな中、息子は涙を堪えている、という感じで、みんなほど泣いてはいなかった。
不登校で最後思うようにバスケに打ち込めなかったから、こんなもんかなぁ、と私も思った。
県大会会場を出て、みんなで写真をたくさん撮った。
そして子供たちは親とは別でマイクロバスに乗って学校まで帰る。
そのマイクロバスの中でどうやら息子は号泣だったらしい・・・( ;∀;)
試合直後のみんなとはちょっとズレてきた悲しみ。。。
毎日のようにやってきたバスケをもうみんなとやれない悲しみ
息子にもみんなと同じ気持ちがあった。
私はそれを聞いて胸の奥が温かくなった。
息子はバスケが終わってしまって、きっと色々な想いが溢れたのだろう。
改めて、不登校になって学校へ行けてなくても部活で今回の経験ができてよかったと思った。
息子はきっとこのことを一生忘れないだろう。
そんな大事な思い出になっただろう。