中3になったばかりの4月中旬、息子は突然学校へ行けなくなった・・・
何よりも笑った顔が素敵な彼が笑わなくなり、頭の回転が早く成績も良かった彼が勉強を捨て
スポーツが大好きで小学生時代はサッカー、中学はバスケに打ち込んできた彼が運動を一切しなくなった。
それは、すぐに受け入れるには耐え難く、あまりにも私にとって残酷な日々の始まりだった。
GWの部活の大会に3日間行って、
みんなとも楽しそうに過ごしていた息子
さぁ、休み明け、
行ってくれるよねーーーーーーー?
行かない理由がもはや、ないでしょ?
だってあんなにも元気よくバスケしてたじゃない!
朝も早く起きれていたじゃない!
ん…?
あれ…??
え??? 起きてこない・・・
なんで?
昨日は行くって言ってたじゃん!
そして私、何度も起こしに行く。
反応なし・・・
( はぁ。。。(´Д` ) )
昨日までのことは夢だったのだろうか???
元気に行ってくれる彼を想像して期待していただけに
私は、ただただ受け入れられず、困惑した・・・
起きない息子を置いて仕事に行くにはあまりにも私自身が辛い状況だった。
気持ちが持っていかれる、心がギュッと締めつけられる…
私は息子に遅刻にしておくね、と言い残し家をでた。
今日は高校の進路調査の締切日だった。
そして、息子はどうやら5限から行ったようだった。
後々聞いたら進路を書くのに2時間ぐらいかかり、行くのが遅くなった、と言っていた。
遅刻してでも2週間ぶりぐらいに学校へ行ってくれて、私は心底ホッとしていた。
遅刻でも何でもいい。とにかく毎日少しでも行ってくれれば。。。
担任の先生からも電話があり、クラスのみんなも息子が来てとても喜びました。
彼もとてもにこやかに過ごしていましたと、言っていた。
進路調査にはオール5に近いぐらいの内申が必要な高校が書いてあったようで
担任の先生から息子にはそのためには学校に毎日来ないといけないよ、みたいな話しをしてくれたそう。
でも、学校から帰ってきた息子はとても不機嫌でイライラしていた💦
私は久しぶりにクラスの友達にも会えて、
楽しく過ごして帰って来るかな、と思っていたので
そんな予想外の息子の反応を見て、
私はもう息子のことを完全に理解できなかった💧
この日を境にまた行かなくなる・・・
そして迎えた中学3年生にとって大事な大事な中間テスト
学校へ行かない日々の中でも、息子は近づきつつある中間テストのことを気にしていた。
そして1週間前ぐらいからは、学校へ行っていれば本来提出しなければいけない提出課題をこなし、
テスト範囲をそれで学び、素因数分解などの数学も自力で勉強し、理解できたと言っていた。
この頃は学校へは行けなくても、勉強の意欲はあって、
もう理科は完璧だ、社会はもう一息、などいちいち報告してくれていたので
勉強自体は何とか出来ていて、もし学校へ行ければ
私から見ても今までと同じ、とまではいかなくても悪い点数は避けられそうだな、と思った。
テスト当日、朝早くちゃんと起きてきた。
おお、頑張った!
ご飯も食べて、トイレも済ませ、着替え始めた時、
息子は目の前のソファに倒れこんだ。半裸の状態で。
「やっぱり行くの無理。行くの怖い・・・」
私は焦る自分の気持ちを保つのを必死になりながら
落ち着いて息子に話しかけた
「せっかくずっと勉強してきたのにもったいないよ!」
「クラスへ行くのが怖いなら別室で受けさせてもらえるよ。別室で受けたらどうかな?」
「気持ちが落ち着くのを待って2限からでもテスト受けたらどう?」
頑張って勉強していたのを知っているからこそ、何とかして行く気分に戻って欲しかった。
でも、、、、
でも、、、、
ダメだった。。。
車で学校に送って間に合う時間までずっと説得を続けたけど
一度行く気持ちが折れてしまった息子は
頑なに行こうとしなかった。
あんなに頑張ったのに・・・
私は自分が泣きたい気持ちを堪えながら
うなだれている息子に何て声をかけたらいいのか、正解のない答えを探していた。
中学3年の大事な大事な中間テスト
それを受けらなかったことで
( あーー、終わった・・・ )
多分私以上に息子はそう思ったのだろう
人生詰んだ、もう行きたかった高校には行けない、そう思ったに違いない。
それからの息子はひどかった、、、
部屋に閉じこもるようになり
死んだような目になり
会話もなくなり
食事もあまり食べなくなった
ひたすら寝ている時間が長くなり
スマホをずっと眺めている
まさに現実逃避・闇落ち、である。
闇落ちしてからの息子は担任の先生にも会おうとしないし
部活の先生からの電話も出ようとしないし
心配して家にきてくれた友達でさえ、会おうとしなかった・・・
私はそんな状況になってしまった息子を見るのが辛くて死にそうだった。
息子のとる行動や態度にいちいち傷ついて、心をえぐられている感覚。
先生や友達、習い事先や部活に関わっているママ友など
色々な人に謝っている自分にもだんだん辛くなってきて
自分まで壊れてしまいそうだった。
それでも私は壊れる訳にはいかない。
私にはもう1人大事な娘がいるから。
小学6年の娘の前ではなるべく笑っていたかったから。
中間テストを受けられなかったことで息子の心は深〜い深〜い闇の中に
死んだ魚のような目、こちらと目を合わそうともしない
何か息子に問いかけてもロクな回答は期待できず
話すことで気持ちが楽になるかもしれないと思い
「お母さんに話してみて」としつこく言えば、
「うるさい、死ね!」
「出ていけ!!」
こうなるまでは、毎朝息子をお越しにいって「学校どうする?」と聞いていたが
私はもう無意味に感じて、聞かないことにした。
一方的に私が話すだけで、親子のコミュニケーションをとる、とれる精神状態ではなかった。
私は夫と話し合い
息子には「無理して学校へ行かなくてもいいからね」と伝えた。
「また行きたくなったら行けばいいし、今は色々な選択肢があるから」と。
闇落ちしている息子にそう言うことで、
私や夫が(こんな状況になってもあなたの味方だから)と思っていることを分かって欲しかったが
息子には何の気休めにもなってなさそうだった。
不思議なことにもう息子は学校へ行かない、と思うようになると
毎朝毎朝お越しにいって学校へ行くか行かないかを、聞かなくていいことで
私は少しだけ気持ちが楽になった。
( 多分、ちょっと、どうでもよくなった )
息子が学校を行かなくなって1ヶ月が経つ頃に
私は徐々に学校へ行かない息子を受け入れなければいけない
そう思い始めていた・・・