中3になったばかりの4月中旬、息子は突然学校へ行けなくなった・・・
何よりも笑った顔が素敵な彼が笑わなくなり、頭の回転が早く成績も良かった彼が勉強を捨て
スポーツが大好きで小学生時代はサッカー、中学はバスケに打ち込んできた彼が運動を一切しなくなった。
それは、すぐに受け入れるには耐え難く、あまりにも私にとって残酷な日々の始まりだった。
部活のみんなが家に突撃訪問してくれてから間もなくして、
6月中旬に行われる期末テストを迎えようとしていた。
息子はバスケ部のみんなが会いにきてくれた日から、
ほんの少しだけ元気になったような気はするものの、
基本的には変わらない様子で、
「放課後に学校の先生に会いにいき、少し先生と会って話しをしよう」という提案さえも
相変わらず行くことを拒んだ。
私も夫も5月の中間テストや修学旅行の件でかなり表情を曇らせていた息子を
そばでずっと見てきているので、
この頃、基本的には息子を見守るスタイルに切り替えつつあった。
なので期末テストのことをこちらから心配して息子に問いかける、
など一切しないようにした。
心の中では息子が気を取り直して一発奮起して行ってくれたら、
そう思う自分と、
息子をこれ以上苦しめたくない、
と思う自分とごちゃまぜな自分がいた。
息子に何も言わない
というのは、私にとって、実は、とても難しいことなのだとこの頃から思うようになる。
結局期末テストは思った通り行かなかった・・・
今回が2回目だからか、息子はとても落ち着いていた。
そしてとっても静かに、そっと、息子も何か言う訳でもなく通り過ぎて行った。
私が発言しないとこんなに平和なの?
今までの混乱はひょっとしたら私のせい?
私の言葉はただ息子を追い詰めていただけかもしれない・・・
一体息子が何を考えているのか、本当にいつからこんなにわからなくなっていたのだろう。
不登校になる前からきっと私は息子のことを
ちゃんと理解してあげられていなかったのかな、と思うようになった。
期末テストを受ける気ももうなかった息子になってしまったことが悲しかったけれど、
息子の中でそれは少し現状の自分に諦めに近い気持ちで受け入れ始めたのかもしれない、とも思った。
一度テストを受けられなかったことを体験すると、もう2回目には不思議と怖くなくなる。
私もいい意味で諦められるようになってきた。
(もう期待はしない)それが楽だから、というのもあるけれど
過剰な期待は息子を苦しめてしまう
ことを分かってきたから。
息子は感の鋭い子であったし、私が行かなくていいよ、と
言ったところで本当は行って欲しいと思ってるんでしょ?と
思ってしまうような子。(大抵の子どもは親の気持ちを察してしまうらしい)
で、まあ私も全くそう思っていないかと言えば嘘になるので
そうゆうことを口に出さないことが一番かもしれない、と
日々息子と接するうちに色々なことを考え深掘りするようになってきていた。
6月下旬、バスケの最後の大会が始まる
期末テストが静かに過ぎていき、バスケの最後の大会が近づいてきた。
部活のメンバーはなんとか息子にも来て欲しい。
最後はみんな揃って大会に行きたい。
そしてなるべく勝って一日でも長く部活をしたい。
そうゆう思いだった。
だから最後の大会に向けての土日の練習に、部活のメンバーが突撃でまた息子に会いに家に来てくれた。
お昼ご飯を部屋で一緒に食べて、今から部活に行こう!と誘ってくれた。
けれど息子は急に誘われたのと、色々な勇気が持てなかったのか、結局行けなかった。
粘ってくれた友達も部活へ行き、
ここまでしてくれることに感謝と、ここまでしてもらっても行けない息子を
責めたい衝動にかられながら、その日はぐっと我慢し見守った。
この頃、息子との距離感は本当に難しかった。
私が言ったことが何か気に食わなくて数日心を閉ざすことが多々あった。
息子の気持ちより自分の気持ちを優先させてきていたという驚愕の事実に気づいたのもこの頃だった。
息子のためを思って
それは、ただ自分のして欲しい
そうなって欲しい
それを息子に押し付けていたのかもしれない、ということ。
そんなつもりは毛頭なかったけれど、
大切な子供だからこそ、気にかけ過ぎて、今まで色々言っていたのは確かだ。
それでも私はまた懲りずに息子に聞かずにはいられなかった。
「最後の大会どうするの?」
私が問いかける質問には決まって最初は無言だ。
息子は何も約束したくないのである・・・
約束の守れない人間になっていたから。
これは不登校あるあるで
これにいちいち落ち込んでいたら本当にこっちの身が持たない。
そして大会が始まる前日の夜、
またまた部活の3年生みんなが全員集合してくれた。
本当涙もんなドラマのような話。
みんな明日大事な大事な大会だよーー??
学校行って、部活の練習して、塾行って、疲れてるはずなのに!
こんな夜更けにまた来てくれて(´Д` )
本当になんていい仲間をもったんだ。
ありがとうありがとう。。
そして大会当日、
息子は見事出かけて行きました✨
みんなの気持ちにつき動かされて、行動していく息子。
親だけは無理だったことも、友達の持つパワーに勇気をもらい
本当はしんどかった部分もあるかもしれないけれど
大会で精一杯大切な仲間を応援したい・・・
そう強く思って息子は出かけていった。